「歯科クリーニング(歯石除去)」ってどんな風に行うのですか?
ご質問いただくことが増えました。
そこで,今回はM.ダックスのマコちゃんにご協力いただき,
歯石除去の流れをご説明したいと思います.
今回ご協力いただいたマコちゃん,元気いっぱいの男の子です!
<入院までの流れ>
予約の日.朝ごはんを食べずに,午前中に病院へ.
先生からの手術説明後,術前検査をおこないます.
実施する検査は
・身体検査
・血液検査
・エコー検査(心臓)
状況により,胸部レントゲン撮影などを追加実施します.
<全身麻酔の準備>
歯石除去には全身麻酔が必要です.
眠っていない状態では,ほんの一部の歯石しか除去ができず,
歯周ポケット・歯の裏側はきれいにできません.
まず,おててに点滴の針を設置します.
細い,柔らかい針ですから設置後の痛みはほとんどありません.
点滴の針から,眠くなる薬をゆっくりと使います.
(不安感が少なくなる成分も含まれているので,
安心しながら,ゆっくりと眠りについてくれます.)
眠った後,全身麻酔を維持・管理するためのモニターを体に装着します.
装着したセンサーの情報はモニターに表示され,
麻酔が安定しているかリアルタイムにチェックしながら
歯科処置を行います.
最初に,眠った状態で口を改めてチェックします.
歯周ポケットの深さはどのくらいか,
ぐらぐらの歯はないか,歯の根っこが膿んでいないか…
麻酔をかけた状態で観察して,初めてわかる病変もあります!
<歯石除去>
観察が終わったら歯石除去スタートです.
主に,超音波スケーラー・キュレットという器具を使います.
超音波スケーラーは,超音波振動で歯石を除去する器具です.
先端がミストを出しながら超音波振動し,歯石を砕きます.
スケーラーで目に見える歯石を除去した後は,
キュレットという細い針金のような器具で歯周ポケットも綺麗にします.
歯石が除去された後は,ポリッシング(表面の磨き上げ)を行います.
スケーリング後の歯表面は細かい凸凹があり,
これを研磨して滑らかにすると,歯石が再付着しづらくなります.
回転するラバーカップ(写真の緑の部位)に研磨剤をつけて歯を磨き上げます.
処置終了!
とっても綺麗になりました.口の匂いも大きく改善しています.
麻酔から覚めて2時間ほどのマコちゃん.もうすでに元気いっぱいです!
このように,怖さや痛みはほとんどともなわずに
日帰りでクリーニングしていきます.
(歯科処置は基本的に日帰りです.
午前中お預け後,夕方お迎えにいらっしゃる頃には
写真のマコちゃんのように,普段通りの様子で退院できます.)
ブログ記事ですと,詳細に説明しきれない部分もありますので
歯科処置に関してさらにご質問・ご相談がありましたら
どうぞお気軽にお問い合わせください.
獣医師 川口